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-女性の健康について- このページは健康で快適でいるためにに関する記事です。

フェムテックについて

花とお菓子

なぜいまフェムテックがこんなにも注目され始めているのか? 

1,女性特有の健康課題がある

社会の半数を占める女性の多くは、月経が始まってから閉経までの間は女性のパフォーマンスに大きく影響する「月経トラブル」に振り回されたり、キャリア形成時期には「キャリアと妊娠・出産」というライフイベントの選択を迫られ悩んだり、さらに更年期には「更年期障害」という今までなかった不調に苦しむなど、ライフステージごとに女性特有の健康課題を抱えています。

このような女性特有の健康課題は、自分の力がうまく発揮できない、自分のキャリアをどのように積んでいったらよいかわからない、仕事が続けられなくなったなど、女性にとっても社会にとっても大きな課題となっています。

2,女性も含め多様な人が活躍できる社会が求められている

働く女性の増加にともない、職場でも女性特有の健康課題を個人の問題としてとらえるのではなく、女性が健康でその能力を十分に発揮できるよう理解をしていこうという流れになっています。

健康経営を積極的に実施している企業の中でも、女性の健康への関心が高まっており、女性だけでなく男性・社会として女性の健康を理解する必要性 が高まっております。健康経営とは、企業が従業員の健康改善・維持に積極的に取り組むことで、従業員の生活が豊かになり、結果として生産性の向上を期待するものですが、「働く女性」に目を向けると、単に一般的な健康改善・維持に積極的に取り組むだけではカバーしきれない女性特有の健康課題によるプレゼンティズムとアブセンティズムなどがあります。

女性特有の健康課題を抱えている人もそうでない人も、共に女性の健康に対する正しい知識を得るということは、相手に対する理解が進み、コミュニケーションの問題も減ると期待されているのです。

<参考記事>

女性の健康経営®

女性の健康に対する日本の現状

フェムテックの代表例ともいえる女性ホルモン製剤を例にとると、経口避妊薬(OC)は、まさに女性の健康課題であるバースコントロールのために生まれた医薬品で、世界では1960年代に承認されていましたが、日本での承認は1999年でした。このことが意味するのは、世界に送れること40年、1999年まで女性が主体的に避妊できる避妊効果が高い避妊方法は日本になかったという事です。

同じく、更年期障害を治療するホルモン補充療法(HRT)も、更年期の不定愁訴を解決するために医学から生まれた医療ですが、世界では1960年代から使用されていましたが、日本では1990年代から徐々に使用されるようになりました。

また最近話題の子宮内システム(IUS)も、子宮に局所的に働くことで、長期に渡り月経困難症や過多月経だけでなく避妊効果もある画期的な医薬品ですが、まだまだ正しい情報が伝わっていないと感じます。

OCやHRT、IUSなどは、膨大な医学的エビデンスがあり、世界的に多くの女性に選択されてきたにも関わらず、日本ではまだ十分普及しているとは言えません。

このことは、単に これらの医薬品が普及していないという事ではなく OCやHRT、IUS が生まれた背景、つまり「セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ」や「更年期や更年期以降の女性の健康問題」、「長期にわたる月経や避妊の管理の必要性」についてもまだ十分理解されているとは言えないという事です。

日本では、学校でも社会人になってからも女性の健康課題やその対策について正しい情報を学ぶ機会があまりなかったのですが、最近は情報も増えましたし、当協会が実施する「女性の健康検定®」などを活用され、正しい知識を学ばれようとされる方々も増えてきています。

フェムテックの広がりとともに、女性特有の健康課題やその背景について知る機会が増え、正しい理解も広まるのではないかと期待しています。

フェムテックに期待されていること

1,医学的根拠のある正しい女性の健康に関する情報(医薬品という選択肢も含めて)の提供

セルフケアに限らず、対処法などを選択する本人に正しい知識があるかが重要になります。

例えば避妊が必要な場合、排卵日を予測するだけではなく、OCやIUSといった他の選択肢についても正しく知らなければ本当に自分に適した選択はできません。

正しい知識を基に、自分自身に合った適切な対応が取れるようになれば、早くからバースプランも含めたライフキャリアプランについて自分で考えられるようになりますし、月経トラブルや更年期の不調などに振り回されず過ごすこともできるようになります。

2,自己判断してよいところと、医療(婦人科医への相談)の必要性があるかもしれないところをナビゲートする

女性特有の健康課題の中には、自己判断してはいけないものが多くあります。

例えば月経痛の裏には病気が隠れているケースもあります。日本女性の10人に1人は子宮内膜症と言われておりますが、子宮内膜症は放置しておくと不妊のみならず卵巣がん、子宮体がんのリスクを上昇させることも分かっています。また、月経の際に経血が漏れるのが心配ほど多い場合は過多月経や貧血も疑われます。

このように、病気のサインに気づいてもらい早めに婦人科を受診を勧めるといったナビゲートを行うということは、自己判断による病気の発見の遅れを回避することにつながります。

3,婦人科パートナードクターを持つことにつなげる

早期発見の大切さからも、しっかりとしたエビデンスに裏付けられた対処が行える婦人科医との連携は女性の健康管理の基本となります。

医療や医薬品は病気のときだけ・・・と考えがちですが、女性医療は予防的なアプローチも多いので、婦人科パートナードクターを持ちつつフェムテックを活用することが理想ではないかと思います。

セルフケアにとどまらず女性医療も含めた概念になって欲しい

当協会では、女性の健康支援、女性の健康教育、女性の健康経営の3つの事業を通して、女性が健康で充実したライフキャリアが実現できる社会を目指しておりますが、フェムテックに関しては セルフケアにとどまらず婦人科パートナードクターを持つことを基本とした女性医療も含めた概念になって欲しい と願っております。