◆2018.2.15up◆介護の荒波を乗りきるには

2018年2月15日

 平昌オリンピック・パラリンピックのニュースを横目で見ていても、介護の波は待ったなしで押し寄せてきます。少子高齢化が進む現在、介護は待機児童の問題とともにいまや国家的課題です。認知症、やさしく言えば物忘れを伴う諸症状は、気が付けばご近所や友人のお連れ合いにも。実は…と、介護の悩みを聴く機会が増えています。

 かく申す当方も、気が付けば夫の様子が変。かかりつけ医に相談した検査結果はやはり認知症の範囲と出ました。家の中での生活動作はなんとか自分でできるものの、衣・食の世話や生活時間の乱れ、はたまた突飛な行動(当人には理由がある)など、こちらは疲れてイライラも。認知症の夫の介護経験を持つ友人に電話すると、「そんなのまだ序の口よ」と笑い飛ばされ、一緒にアハハとなって、肩も気持ちも軽くなったから不思議です。

 そこで思い起こすのは、当協会の電話相談に寄せられる更年期女性たちの体調不良と介護の関係。疲れやすい、気分が落ち込む、やる気が出ない、寝付きがわるい、頭痛・肩こり・動悸・めまいなど症状は様々ですが、ひとしきり体の不調を話した後で「実は…」と続くのが介護の問題なのです。先日も5件ほどお受けした電話相談の中で、3件はご自身の親や夫の老親介護の経験の持ち主でした。年齢的に女性ホルモンの低下による更年期の不調は見逃せませんが、加えて介護の負担やそれに伴う人間関係のストレスなどが女性たちの心身にも大きな影響を及ぼしている現状が見えてきます。

 「よくなさいましたね」「頑張られたのですから、今はご自分を大切にする時期ですよ」など受け止めながら話を伺っているうちに、次第に声が明るく、笑い声も出るようになると、こちらもホッとします。

 介護って浜辺に打ち寄せる波のイメージに近いと、思ったりもします。一つ乗り越えたと思うと、もう次の波が押し寄せ、その繰り返し。でも、波に飲み込まれて自分を見失っては本末転倒でしょう。ふと立ち寄った本屋さんで手に取った樋口恵子さんの近著「その介護離職、おまちなさい」(潮出版社)には、仕事や人とのつきあいをし「ながら介護」、企業や地域で支える「トモニ介護」のすすめが満載。介護保険を活用し、ご近所の手助けもありがたくお受けしながら、介護の波を乗りきるサーフィンを身に着けたいものです。(Y)

 


 
「その介護離職、おまちなさい」 

樋口恵子著 潮出版社