更年期Q&A/女性の健康レポート

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更年期Q&A

~ニュースレター2015年版より~ 
回答:牧田和也先生(牧田産婦人科医院 院長、慶應義塾大学医学部 非常勤講師)

Q.いま53歳、閉経して一年以上経過しているのですが、多量ではないですが少し出血するときがあります。婦人科に受診した方が良いでしょうか。何か病気の疑いがあるのでしょうか?
 
Q.更年期の症状に悩まされており、HRTに関心がありますが、実母が74歳の時、乳がんを患ったので、ためらっています。「薬の組み合わせ、使用期間」などで乳がんになるリスクを軽減することはできるのでしょうか? (乳がん罹患の実母が、ホルモン由来でない場合のケース)
 
Q.60歳、閉経(54歳)前後には、身体的にもメンタル的にもとくに不調を感じなかったのですが、今頃になってホットフラッシュなど「更年期」症状のような不調を感じています。婦人科で新規にHRTも受けてみたいのですが、いかがしょうか?

 

~ニュースレター2014年版より~ 
回答:牧田和也先生(牧田産婦人科医院 院長、慶應義塾大学医学部 非常勤講師)

Q.46歳。半年ほど前から生理不順になり、疲れやすく頭痛や肩こりなど不調です。婦人科では、女性ホルモンの数値が正常範囲なので、まだ更年期の治療はできないと言われました。なにかよい方法はないでしょうか?
 
Q.48歳。甲状腺の持病があり、治療中です。更年期の症状も出てきたのでHRTを受けたいのですが、担当医の答えがはっきりしません。併用して受けることは可能でしょうか?
 
Q.60歳。6年近くHRTを受けていて体調がよく、この先も続けたいのですが、医師からは「もう卒業ですね。うちでは60歳以降はHRTはやりません」といわれました。継続は可能でしょうか?

 

~ニュースレター2013年版より~ 回答:女性の健康相談対話士

Q.48歳。更年期のせいか、イライラしたり、物忘れやうっかりミスが増え、仕事の配置替えをしてもらえたらと思ったりします。職場の人間関係にも影響しそうで心配です。
 
Q.50歳。半年前からHRTを始めました。エストロゲンと黄体ホルモンを同時に連続して用いる方法ですが、たびたび性器出血があり、止まりにくいので不安です。よい方法はないでしょうか?
 
Q.56歳、5年前に閉経しました。最近、外陰部に痒みやひりひりした感じがあり外出時などは特に困ります。痛みもあり、性生活も苦痛ですが、医師にも相談しにくく、よい解決方法はないでしょうか?

 


Q:いま53歳、閉経して一年以上経過しているのですが、多量ではないですが少し出血するときがあります。婦人科に受診した方が良いでしょうか。何か病気の疑いがあるのでしょうか?

A:閉経後で(量を問わず)出血が見られる場合は、婦人科受診をお勧めします。その理由は、その出血が子宮に発生するがんに起因するものでないかどうかを確認する必要があるからです。閉経後の出血が全て子宮がんに結びつく訳ではありませんが、その可能性が無いかどうか検査をすることは非常に重要です。通常子宮がんの検査としては、「細胞診」と呼ばれる方法が用いられます。子宮がんは、その頸部(外側に近い部分)に発生する「子宮頸がん」と内部の子宮内膜より発生する「子宮体がん」に大別されます。「子宮頸がん」は、若い人に多く、初期のがんでは無症状で検診(細胞診)で見つかることも少なくありません。一方「子宮体がん」は、中高年女性に多く、特に閉経後で出血がある場合は要注意です。従って、子宮がんの細胞診を行う場合、「子宮頸がん」だけでなく「子宮体がん」の検査も一緒に行うことが大切です。

 

Q:更年期の症状に悩まされており、HRTに関心がありますが、実母が74歳の時、乳がんを患ったので、ためらっています。「薬の組み合わせ、使用期間」などで乳がんになるリスクを軽減することはできるのでしょうか? (乳がん罹患の実母が、ホルモン由来でない場合のケース)

A:このケースのように、実母の乳がんの発症年齢が74歳と比較的高齢で、ホルモン由来でない場合は、近年米国の有名女優さんのケースで話題となっている「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」である可能性は低いと思われます。従って、HRTを行う場合の乳がんのリスクに関しては、通常行われている対応(HRT開始前の乳がん検診、HRT施行中の1年1回の乳がん検診など)で良いものと考えます。薬の組み合わせに関しては、子宮がある方ではエストロゲンと黄体ホルモンの併用が原則ですが、海外の方で経皮吸収剤の方が乳がんのリスクが少ないとする報告が見うけられますので、それも一法かと思います。また使用期間に関しても、かつて「WHIの中間報告」を受けての見解であったように「5年を一応の目安」として頂くのもいいかもしれません。

 

Q:60歳、閉経(54歳)前後には、身体的にもメンタル的にもとくに不調を感じなかったのですが、今頃になってホットフラッシュなど「更年期」症状のような不調を感じています。婦人科で新規にHRTも受けてみたいのですが、いかがしょうか?

A:一般にホットフラッシュや発汗のような血管運動神経症状は、閉経前後の女性ホルモン(エストロゲン)が急激に低下する時期に認めることが多いですが、閉経後何年か経過して目立ってくるケースは時々見うけられます。閉経後数年経過すれば、女性ホルモンの低下は顕在化しており、そういう意味で女性ホルモンを補うHRTは、このような方の治療の1つの選択肢にはなり得ます。ただしHRTガイドラインで、「60歳以降にHRTを開始する場合は慎重に」という見解になっていますので、実際に行う場合はそのリスクについても十分理解しておく必要はあります。それと一般の産婦人科外来で相談すると、「60歳でHRTですか?」というような反応が返ってくる可能性もありますので、出来れば更年期外来で相談されることをお勧めします。

 

Q:46歳。半年ほど前から生理不順になり、疲れやすく頭痛や肩こりなど不調です。婦人科では、女性ホルモンの数値が正常範囲なので、まだ更年期の治療はできないと言われました。なにかよい方法はないでしょうか?

A:「女性ホルモンの数値が正常範囲なので、まだ更年期の治療はできない」というのは、大きな誤りだと思います。正しくは、「女性ホルモンの数値が正常範囲なので、現段階でホルモン補充療法の適応ではない」ということです。従って、現時点での疲れやすい、頭痛、肩こりといった症状に対して考えられる治療法としては、まず漢方療法が挙げられると思います。ただし、これらの症状が日毎にひどくなるような場合は、他の病気が隠れていないか(疲れやすい、頭痛に関しては)内科、(肩こりに関しては)整形外科などで診察を受けた方がよいでしょう。

 

Q:48歳。甲状腺の持病があり、治療中です。更年期の症状も出てきたのでHRTを受けたいのですが、担当医の答えがはっきりしません。併用して受けることは可能でしょうか?

A:甲状腺の病気は、おおよそ2つの病態に分けられます。1つは甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる甲状腺機能亢進症、もう1つは甲状腺ホルモンの分泌が低下する甲状腺機能低下症です。このうち甲状腺機能低下症は、中高年女性に多い病気で、疲れやすい、うつ症状などが更年期障害の症状と紛らわしいことがあります。ただし、きちんとした治療を受けていて甲状腺ホルモンの値が正常域に入っている場合は、そういった症状は通常改善しますので、その上で認められる症状があれば、それが更年期障害の可能性は十分ある思います。同じホルモンといっても甲状腺ホルモンと女性ホルモンは基本的にその役割は異なり、お互いに悪い相互作用はありませんので、HRTの併用は可能です。

 

Q:60歳。6年近くHRTを受けていて体調がよく、この先も続けたいのですが、医師からは「もう卒業ですね。うちでは60歳以降はHRTはやりません」といわれました。継続は可能でしょうか?

A:わが国のHRTガイドラインも含めて世界各国のmenopause societyは、「60歳以降HRTを継続することは、行うべきではない」と明言してはいません。「60歳以降にHRTを開始する場合は慎重に」という見解にはなっていますが、それまでHRTを行ってきて体調が良い場合には、60歳という年齢でそれを無理に止める必要はないと考えます。実際に更年期の症状は、60歳になったからと言ってきれいに消失する訳ではありません。きちんとした適応があり、定期的に子宮癌検診・乳癌検診等を行っているのであれば、年齢でその使用を制限する必要はありません。いまだに自らの不勉強を省みず個人的な見解でこのようなことを口にする医師がいることに、更年期医療を専門としている立場からは激しい怒りを感じ得ません。

 

Q:48歳。更年期のせいか、イライラしたり、物忘れやうっかりミスが増え、仕事の配置替えをしてもらえたらと思ったりします。職場の人間関係にも影響しそうで心配です。

A:イライラや物忘れ、集中力の低下などは、更年期女性には多くみられる症状です。まずは、更年期に詳しい婦人科医を受診して相談してみましょう。更年期の治療を受けることで、イライラや疲労感が改善すれば仕事にもいい影響があるはずです。
仕事や職場での人間関係は、上司や職場における理解者に相談できればいいのですが、そうもいかないこともあるでしょう。更年期への理解は社会的にまだ不充分ですが、まずは家族や親しい友人に話をしてみましょう。他の職場では更年期世代の女性にどのような配慮がされているか、仕事上でどんな工夫ができるかなどを知っておくと、参考になるでしょう。
当協会では、「女性の健康検定」を実施して、合格した方を「女性の健康推進員」「女性の健康とワーク・ライフ・バランス推進員」に認定し、その知識を更年期を含めた女性の健康や仕事と生活の調和の理解を広げるために活用していただきたいと願っています。

 

Q:50歳。半年前からHRTを始めました。エストロゲンと黄体ホルモンを同時に連続して用いる方法ですが、たびたび性器出血があり、止まりにくいので不安です。よい方法はないでしょうか?

A:HRTの使用法には、エストロゲンを毎日服用し月の後半12~14日間は黄体ホルモンを併用して周期的に月経のような出血を起こさせる周期的併用療法と、エストロゲンと黄体ホルモンを毎日連続して服用する持続的併用療法があり、ご質問の方は後者と思われます。持続的併用療法の出血は徐々になくなるといわれますが、1年以上たっても出血が続く人もいるとのデータもあり、電話相談にもよく相談が寄せられます。一般には、閉経の直前や直後の子宮内膜が性ホルモンに反応しやすい時期には周期的療法、閉経後数年たった人には持続的併用療法という使い方もあります。
まずは、性器出血が、がんなど他の病気によるものでないか婦人科で確認してもらい、その上で、HRTの使用法を変えたり、エストロゲンの量を減らしたり、黄体ホルモンの量を増やしてもらうなど、医師に相談しながら、自分にとってベストな方法を探しましょう。HRTの薬剤は、飲み薬の他にも皮膚に塗るジェルやパッチなどがあります。使いやすく、自分に合うものを上手に選ぶことも大切です。

 

Q:56歳、5年前に閉経しました。最近、外陰部に痒みやひりひりした感じがあり外出時などは特に困ります。痛みもあり、性生活も苦痛ですが、医師にも相談しにくく、よい解決方法はないでしょうか?

A:外陰部の痒みやひりひり感、性交痛は、デリケートな場所だけに相談しにくいお気持ちはよくわかります。しかし、放置しておくのは症状を長引かせ、生活の快適さが損なわれ、さらにはお連れ合いとの関係にも影響するかもしれません。
このような症状の原因のひとつは、閉経後の女性ホルモン・エストロゲン不足による萎縮性膣炎です。これは膣粘膜が薄くなり、潤いも失われて乾燥するために、膣の自浄作用が低下して起こります。閉経後の女性では悩んでいる方も少なくなく、早めに婦人科を受診して相談されることをお勧めします。診察で異常がなければ、女性ホルモンの入った膣剤で治療できます。ホルモン補充療法(HRT)も萎縮性膣炎の改善に効果があることがわかっています。何らかの理由でHRTが使えない方の場合、膣剤の効果は膣のみに留まるので、有効です。

 

 


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