米国のHRT大規模臨床試験の中間結果と
中止報告をどう受け止めるか

-更年期女性の視点から-
 会では、更年期からの生涯をとおした健康づくりを目標に活動を続けており、HRTについても更年期障害などの有効な治療法として、深い関心をもっています。今回のNIHの報告も、この点についてはなんら否定するものではありません。

 しかし、HRTの長期投与と乳がんのリスクの関係は、これまでの数値とあまり変わらないとはいえ、女性にとって無関心ではいられない問題です。安易な長期投与には注意すると同時に、骨折や大腸がんを減らすなどの効果は前向きにとらえたいと思います。こうしたことから、HRTについては、次の3点を基本に自分にあった判断をしていただきたいと考えます。

@よく説明をきいて納得した上で選択する

A定期的に必要な検査を受ける

B疑問や不安は医師と十分に話し合う

 薬の量や種類(パッチなど)についても、遠慮なく相談できる医師を見つけることが大切です。

 今回の臨床試験では、対象女性の70%が肥満、50%が喫煙者だったことも、乳がんや心臓疾患などのリスクを高める要因となったと推測されています。日本の女性と欧米の女性では、疾病構造もかなり異なります。会では、更年期からの健康づくりには食事や運動、禁煙など生活の質の改善を重要な柱とし、心のケア、人間関係や地域とのかかわり、漢方薬の活用なども含めた、総合的な取り組みを進めていく方針です。

 HRTの普及率は、欧米の20〜30%に対し、日本は1.5%に止まっています。今回のNIHの臨床試験中止がもたらした緊張感が、日本女性にあったHRTの使い方を見つけるきっかけになれば、一つの成果といえるでしょう。そのためにも、日本女性のデータづくりに期待したいと考えます。