クリニック訪問11 東京・中央区 小山嵩夫クリニック


「40代に入った時、ガクッと体力が落ちた気がした」という女性の声をよく聞きます。当会の電話相談でも、最近は40代前半の方からの不調を訴える相談が増えてきました。
いわゆる「更年期」は45才からですが、実際に40代に入ると卵巣機能は少しずつ低下し始めるといいます。
そこで、メノポーズを考える会では、40代前半のこの時期を「プレ更年期」ととらえています。
ホルモンの変動によって心身のバランスを崩しやすく、さまざまな不調が起きやすい、プレ更年期から更年期前半のこの時期をどう過ごしたらいいか、小山嵩夫クリニックの小山先生にお話を伺いました。


 「FSH→30以上」、「E2→50未満」で、プレ更年期を考える
「プレ更年期」ということばがあちこちで使われるようになりました。 最近、特にマスコミでは20〜30代の女性の不定愁訴も更年期と結びつけてこういう言い方をすることが多いですね。しかし、「更年期」というからには、卵巣機能が低下しホルモン数値に影響が出ているということがなければいけません。実際には、30代ではこのような卵巣機能の低下はまず見られないのです。
「プレ更年期」ということばは、ちょっと便利に使われすぎている気がします。

まず、言葉の意味を整理しなくてはということですね 「プレ更年期」というのは医学用語ではないため、今は使われ方がいいかげんです。まずどんな状態でそう呼べるのか、定義が必要でしょう。たとえば、女性ホルモン数値をはかり、「FSHが30mIU/ml以上でE2が50pg/ml未満(※用語解説)なら、プレ更年期」という言い方はできると思います。
このような数値になるのは、たいてい40代に入ってからです。

※FSH=卵胞刺激ホルモン(エストロゲンの分泌を促すホルモン。
      更年期に入りエストロゲンの分泌が減ってくると、この
      数値が上がってくる)
 E2=エストロゲン(卵胞ホルモン。更年期に入ると下がってくる)
プレ更年期特有の症状はあるのですか 更年期と同じように、ありとあらゆる症状が現れます。疲れやすい、ほてりやすい、皮膚が乾燥する、イライラするという人も多いですね。

 発想の切り替えで、生活ストレスをとりのぞく
先生は、HRTや漢方処方を行うと同時に「まず生活を見直しなさい」ということもよく言われていますが。 どんな病気でもそうですが、薬をすぐ使ってしまうとその不調の原因が隠れてしまいます。たとえば、発熱や痛みがあった時、すぐ解熱剤や痛み止めを使って症状を抑えていたら、重病を見逃す可能性もあります。検査をして、なぜ発熱や痛みがあるのかを見極める必要があるでしょう。
女性の40〜50代の不調についても同じです。生活に無理のかかりやすい時期だからこそ、まず自分で原因と思われるものを探し、その対策を考えることが大切です。

たとえば、「このところ睡眠不足だったから」とか「家族のことでストレスがあったから」と生活を振り返ってみるのですね。 原因がわかったら、それを取り除くか、軽くするようにします。できるだけストレスの元を取り除き、運動したり休養をとるなどですね。それで1〜2週間様子を見て、体調がよくなるならそれでいいし、変わらなかったりさらにひどくなるようなら受診して薬を出してもらいましょう。

「ストレスがかかっている」とわかっても、家族のことだったり仕事が休めなかったりして、自分だけではどうしようもないこともあるのでは。 たとえば、「私が最後に風呂に入って、お湯を落とさないといけないから」と、帰りの遅い家族を待ち、慢性的な寝不足だという人がいます。しかし、それは変えられない生活習慣なのかどうかですね。工夫のしかたはあるのではないでしょうか。
「○○しなければならないから」と考えると、がんじがらめになりがちです。ある程度割り切ることも必要しょう。


 低用量ピルを使い続けることの影響とは
いわゆる「プレ更年期」の症状で、低用量ピルをすすめられるケースも多いようですが ピルかHRTかは年齢によります。30代後半だったらピルもいいですが、それも原因が何かを見極めて使う必要があります。低用量ピルを飲むと、ホルモン数値は30代後半ぐらいのレベルで安定します。卵巣機能不全は見かけ上改善されているようだし、生理も軽くなります。
しかし、低用量ピルを使うということは外からエストロゲンを与えてしまうので、長期間使用すると自分の卵巣がエストロゲンを作り出す努力をしなくなってしまうのです。

卵巣がお休みしすぎてしまうのですね もうお産を終わっている場合は、30代後半からピルを使って生理をコントロールし50代になったらHRTで、という考え方もあります。しかし私は30代〜40代前半で自分の力を使えるうちは自分の力で、という方法がよいと思います。

 ホルモン補充療法は、何歳から適用か
月経痛が強いわけではないが、関節の痛みやだるさなど、45才前後でさまざまな不調を感じるという時は ひどい月経痛や不正出血に悩まされていて、生理そのものをコントロールしたいという場合は低用量ピルですが、そこまでではなく、エストロゲンの補充を目的にしているならHRTでよいでしょう。
世界的にも、45才を過ぎてからHRTホルモン数値に変化が見られる場合は、HRTが使用されています。

その場合、ホルモン数値の基準はどのぐらいですか プレ更年期の定義と同様に、「FSHが30以上。E2は50未満。この条件を満たしたら、HRTをエストロゲン単独で行う」ということでよいと思います。
この条件を満たすということは、たとえ生理があっても卵巣の働きの衰えが本格化しているということです。さきほど言ったような、「卵巣を休ませすぎる」ということはもう考えなくてよいでしょう。

黄体ホルモンはどのように使うといいですか 私のところでは「3ヶ月間以上生理が飛ぶ」ということがひんぱんに起きるようになったら、黄体ホルモンを使用しはじめます。

それまでは、エストロゲンの単独でよいのですね 黄体ホルモンは、生理を起こさせ子宮内膜の肥厚を防ぐ目的で使うのですから、自分の生理があるうちは飲む必要はありません。

日本におけるHRTの普及率は、欧米はもちろん韓国、台湾などのアジア諸国に比べてもまだ低い状態。医療の現場でも、ドクターによってHRTの知識と使用に関する考えかたはさまざまで、むしろ患者に迷いが生じてしまうこともあるようです。
そうした悩みや疑問についても、いつも明快な口調でわかりやすく答えてくださるのが小山先生。婦人科医療のありかたについても常に新しい提案をお持ちです。
小山嵩夫クリニックは自費診療です。詳しくはクリニックまでお問い合わせください。
(取材:メノポーズを考える会


  
小山嵩夫(こやまたかお)先生
1968年東京医科歯科大学医学部卒業。同大学産婦人科入局。
米国留学後、東京都立母子保健院産婦人科医長、東京医科歯科大学医学部産婦人科助教授を経て
1996年、小山嵩夫クリニックを東京都中央区銀座に開業。
専門は生殖内分泌学
日本産婦人科学会の評議員、日本更年期医学会代表幹事を歴任
2002年より『更年期と加齢のヘルスケア研究会』の代表世話人を務める。


小山嵩夫クリニック  
http://koyamatakaoclinic.jp/
〒104―0061 東京都中央区銀座6−9−3 不二家銀座ビル4F
         (銀座通り沿い。三愛、ニューメルサ並び)
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更年期、子宮内膜症、月経不順、骨粗鬆症などについて、西洋医学・東洋医学の両面から長期的かつ効率的な医療を行う女性クリニックです。(自費治療)




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