クリニック訪問7 東京豊島区 しのざきゆりこクリニック訪問

東京豊島区 しのざきゆりこクリニック 篠崎百合子医師

年代ごとに変わる女性の健康トラブル防止に婦人科受診

30代、40代、50代と年を重ねるに連れて、女性の体の悩みは変わってきます。
でも「もう年だから」とあきらめないで。「体は変化していく」ということを知った上で、自分にあった対処法を見つけていきましょう。
しのざきゆりこクリニック院長の篠崎百合子先生に、各年代ごとに快適に充実した時間を過ごす方法について伺いました。


 インターネットでクリニックを選ぶ時代
<IMG src="file:///D:/My Documents/メノポーズ/HP/リニューアル/hrt/img-clinic/img-c6-q1.gif" width="214" height="115" border="0" align="left" hspace="6"> そうですね。ここで開業して5年になりますが、賑やかな商店街で便利なところですよ。20年もやってるというお弁当屋さんにお昼を配達してもらったり、すっかりなじんでいます。患者さんは、近辺の人もいますが、沿線に職場や自宅があって「駅から近いので」と仕事帰りに来られることも多いです。職場のお昼休みなどにインターネットで病院を調べてこられるんですね。

患者さんはどの年代が多いのですか 一番多いのは20〜30代かな。「生理不順」、「分泌オリモノの異常」、「腹痛」が婦人科受診の三大理由ですが、
中にはイライラやほてりなど自律神経失調の症状に悩む30代の女性もいます。
「更年期なのでしょうか」と言われるのですが、更年期症状はあくまでも閉経の前後の時期に、卵巣の寿命として起こるものです。ストレスによる自律神経失調と症状は似ていますが、まったく別物です。また、若い頃に生理不順や生理痛が強かったからといって更年期の症状がひどくなるかというと、関連はないと思われます。

 20〜30代、40代前半の女性の不調に低用量ピル
若い世代の女性にはどのような処方をされているのですか 女性は、その年代に応じて起こりやすい健康トラブルの特徴があって、それぞれに対処法があります。
「毎月のことだから」と我慢し、やり過ごしてしまいがちですが、一人で抱え込まず、年代に応じた対処法を知って早めに婦人科を受診するといいですね。
20〜30代の不調に適しているのは低用量ピルです。もともとは避妊目的ですが、副効用として「不正出血や生理痛、子宮内膜症の改善」、「ニキビの改善」などにもよいです。
含有する女性ホルモンは避妊効果が出る最低量となっていますので、吐き気などのマイナートラブル(不快な症状)は飲み始めより2〜3週間のうちにおさまってきます。これは、いわばつわりのようなものなので、体に害を及ぼすものではありません。

40代にはいってからの不調ではどうでしょうか? 40代に入ると、最初月経周期がだんだん短くなり、それまで28日周期だった人が25日ぐらいの周期になったりして「終ったと思ったらまた・・・」という状況が増えてきます。周期が飛んで2ヶ月に1度になったり、突然不正出血が起こることもあります。こうした状況や、のぼせ、ほてりなど、完全に閉経していない人の更年期の症状にも低用量ピルを用いるとよいと思います。
そこで、40代まではピルを使い、いよいよ閉経という時にはHRTに移行していくという使い方もありますね。

 更年期から先の人生を考える
45歳からの更年期世代の対処法は? まず、待合室で先に更年期指数(SMI)をチェックしてもらい、あとでお話を聞きながらどのような療法があるかを説明します。薬を出す前に、血液検査とコレステロール(高脂血症)、骨密度の検査をしますが、その時の本人のようすで、血液検査の結果をまたずにHRTを試してみることもあります。
HRTを行うかどうかの基準については
  ○更年期の症状がひどい時
  ○コレステロールが高い時
  ○骨密度低下がある
  ○粘膜が萎縮して性交痛などの症状が出ている
などではHRTの適用と考えています。
HRTはホットフラッシュなどの急性期症状や膣粘膜の萎縮などには大変よく効きます。また、HRTを開始すると高コレステロール血症が改善してくることが多いです。また、女性の骨密度の低下を抑え、骨粗しょう症を予防します。使い方は、「周期的処方(※)」といって、エストロゲンに黄体ホルモンを併用するのが原則です。
※周期的併用  エストロゲンを毎日服用し、一ヶ月の後半12〜14日にプロゲステロンを併用する方法。プロゲステロンにより生理様の出血が起こるが、現在もっとも多く行なわれ体にも負担が軽いとされている。

 更年期以降もずっと快適に生きるために
HRTについてまだ知らない女性も多いのでは そうですね。HRTは閉経後の女性の健康維持に大変有効な治療法なのですが、まだそれを知らない人は多いし、HRTを普及させるような医療システムではないですね。ですから「ホルモン補充」という名称だけで不安を感じる人も多いのが事実です。
海外では更年期の治療というよりは閉経後の健康管理に使い、骨粗しょう症や高脂血症の予防に使っている国がほとんどです。
私は、これからの日本の女性にHRTは必要な療法だと思います。特に50代以降も仕事や趣味に元気に活躍している場合、これがなかったら働き続けられないという患者さんも多いですね。

「更年期の症状があるがそのうち収まると思うので我慢する」という女性もいます。 たしかに、ホットフラッシュなどの更年期の症状だけでしたら、更年期の一定期間を過ぎればそのうち収まってきますが、長い人の場合で10年ぐらい続くこともあります。
そして、その時期を終わったからといってエストロゲンが必要でなくなるわけではありません。
「更年期症状は長いトンネルのようだ」といった患者さんがいましたが、そのトンネルを抜けてもすべての人が安泰ではありません。その先も女性ホルモン(エストロゲン)の欠乏状態は続き、動脈硬化や骨量の低下が起こりやすかったり、皮膚や粘膜も変化します。
うまく切り抜ければまた元の自分に戻れるという時期ではないんです。
むしろ、私はこの時期に、高脂血症とか骨粗鬆症、子宮がん、乳がんなどのヘルスチェックを受けることをお勧めします。

 自分の健康は自分で管理する時代
更年期だけでなく老年期にも重要な療法なのですね。 骨粗しょう症は女性に圧倒的に多く、長く寝たきりになりやすいのも女性です。しかし、これからのことを考えると自分の体はある程度自分で管理していかなければいけません。少子高齢化が進み、誰かのサポートを期待できる時代ではないと思うんです。
本当は、厚労省が、こうした「来たるべき高齢化社会の対応」というレベルで閉経以降の女性のホルモン補充療法を考えてくれていいと思うのですが、まだそういう意識はないように感じます。

だからこそ、今のところは個々のレベルでよく調べ、判断する必要があるのですね。 「年だからしかたない」ではなく、日常のクオリティを維持するためにできることがあるということを、少なくとも知ってほしいですね。知っていて「ホルモン補充はしない」というのは個人の自由ですが、まだまだ「ホルモンは怖いもの」という意識でとどまっているのは残念なことです。

更年期は、その先につながる第2ステージに向けて、「女性の体の機能のチェック期」と言えそうです。更年期の症状があまりない場合も、更年期の時期に一度は婦人科を受診したいですね。
(取材:メノポーズを考える会)


  
篠崎百合子(しのざきゆりこ)先生
1975年東京女子医科大学卒業。医学博士。
東京女子医科大学非常勤講師、都立大塚病院産婦人科医長を経てしのざきゆりこクリニックを開業。
日本産婦人科学会認定医。母体保護法指定医。性と健康を考える女性専門家の会委員。埼玉県立大学非常勤講師。


しのざきゆりこレディースクリニック
http://www.sinozaki-clinic.com/
東京都豊島区長崎5-1-31 豊島ハイツ201  西武池袋線「東長崎駅」北口徒歩1分
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