生理のような出血は、HRTの影響(マイナートラブル)として代表的なものです。これは女性ホルモン本来の働きによるもので、体に悪影響はありません。
もし、閉経後数年たっていて周期的な出血を望まない人には、持続的併用療法という方法で薬の量をコントロールし、出血を起こさせないこともできます。
HRTの影響によるものと思われます。ほかに胸の張り、下腹部の張りやむくみなどが見られることもあります。
こうした不快な現象の多くは最初のうちだけで、体が慣れていくうちに消えていきますが、気になる時は遠慮せず医師に相談してください。
たとえば、2日に一度の服用を3日に一度にしたり、1回1錠を半錠にするなど、薬の量や回数を調節することで、こうした不快な作用をなくすことも可能です。
自分の体のつらさや違和感は自分にしかわかりません。困ったことがあったらメモしておいてきちんと医師に説明し、自分の体に一番フィットするやり方でHRTを受けましょう。
HRTを行った時、子宮筋腫が刺激されて大きくなったり痛くなったりすることがあります。こうした時はまず医師とよく相談しHRTを中止することもあります。また、筋腫を刺激しないよう、エストロゲンの量を1/2に減らしたり、作用の弱いエストリオールに変えてHRTを続けることもできます。
また、漢方薬と弱いHRTとの併用という方法もあります。漢方薬では一般的に桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などが使われますが、漢方薬は個人の「証(体質)」に応じて薬を選ぶ必要があります。漢方処方を行っている婦人科などの医師によく相談してください。
これもエストロゲンによる影響といえます。乳房繊維腺腫は良性でがん化することはないとされています。この張りやいたみは乳がんとは関係がありませんが、気になる時は乳房に刺激を与えないよう量を減らしたり、投与の仕方を変えるなどを相談してください。
エストロゲンのみを単体で長期にわたって投与すると子宮内膜が増殖し、子宮体がんになりやすくなることがわかっています。
そこで現在では、黄体ホルモン(プロゲステロン)を同時に投与する方法がとられています。
エストロゲンと黄体ホルモンを併用した場合の子宮体がん発生率は非常に低く、HRTを受けていない人よりもなりにくいというデータが出ています。
また、作用の弱いエストリオールは、一般的に子宮内膜を増殖させることはないとされています。
短期のHRTではエストロゲン単体での投与も行われますが、3ヶ月以内では子宮への悪影響はないことがわかっています。
過去の米国HRT臨床試験により、5年以上の長期にわたってHRTを行った時、乳がんになる確率がわずかに増える、ということがわかっています。具体的には「1万人について3人ぐらい増える」とされています。
しかし、それらのHRT臨床試験のデータには『肉親に乳がんがある人に乳がんが増えたという傾向はない』ということも明記されています。
そこで、ご本人が今現在乳がんではないということがはっきりわかっていれば、今後も年に一度乳がん検診を受けながらHRTを行うことに他の人以上のリスクはないといえるでしょう。
ただし、大切なのは自分が納得してHRTを受けることです。がんの不安をかかえながら治療を受けてもよい結果が出るとはいえません。そのために、患者さんの気持ちをきちんと受け止めてくれ信頼できる医師のもとでHRTを受けることも必要でしょう。
※HRTと乳がんのリスクについては、こちらを参照してください
どの診療科にかかる場合も、担当の医師には飲んでいる薬などをきちんと話しておくことは大切なことです。
ただし、HRTは欧米では広く浸透している治療法ですが、日本ではようやく普及し始めたところです。婦人科以外の医者ではまだHRTを知らない場合もあります。そうした時「ホルモンなどはやめたほうがいい」「こちらで出す薬とあわないからホルモン剤はやめて」などと言われてこじれてしまうこともありますので、注意が必要です。
なお、HRTは、乳がん、子宮がんと血栓症の治療以外では、今のところどんな療法とあわせて行っても問題はないとされています。ただし血糖降下剤と併用すると血糖の降下作用を弱める可能性があります。
HRTが検査データに影響を及ぼして正確な数値が得られないということはありません。
検査の前日・当日もいつもどおりに服用して大丈夫です。