子宮卵巣の手術後、疲れやすさや集中力の低下が−メノポーズ生活相談

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 女性の健康とメノポーズを考える会更年期相談対話士・医療ジャーナリスト 安井禮子

■ 相談リスト

  子宮・卵巣の摘出手術後、疲れやすさや集中力の低下に悩んでいます。


45歳で子宮と卵巣の摘出手術を受けました。がんではなかったものの、疲れやすく、集中力の低下や不眠に悩まされています。
入院中、医師から「体調がわるければ、ホルモン補充療法もあるが、乳がんの危険が高くなる」と言われ、そのときは「いまはいいです」と答えました。
しかし、家に帰れば、早朝の子どもの弁当づくりや老親介護、自分の勤務もあり、正直きついというのが実感です。
でも、ホルモン=がんの不安は消えず、方法が見つかりません。



卵巣摘出によって、更年期のような症状が出たという話はよくききます。それまで卵巣から出ていた女性ホルモンが急に出なくなるためで、医師が、ホルモン補充療法もあると言われたのもそのためでしょう。
しかし、問題は説明の仕方だと思います。この治療を受けるかどうかは、患者さん自身が、自分の体調や生活の質にてらして、リスクを含め総合的に判断して選択するものです。そのためには、最新の情報に基づいた正確でわかりやすい説明が必要です。また、自分で積極的に確かめる努力も大切です。

HRTで乳がんや冠動脈疾患、脳卒中が増えるという情報は、2002年の米国・WHI中間報告からひろまりました。しかし、その後の再解析などで、反対に乳がんが減るといったデータも明らかになっています。女性ホルモン・エストロゲンだけを投与するERTを受けた群(7.1年間)では、乳がんは24%減少したというのもその一つです。(国際閉経学会 2006年4月11日声明)
また、昨年発表された厚生労働省研究班の調査(主任研究者・佐伯俊昭・埼玉医科大教授)では、詳細は省きますが、HRT経験者の方が乳がんになるリスクは57%低かったとの報告も出ています。

ご相談の方は、子宮と卵巣がないため、通常のホルモン補充療法(エストロゲンと黄体ホルモンを併用)ではなく、ERT(エストロゲン単独を使用)の対象者です。先のデータによればERTは乳がんのリスクは減るので、この治療法が自分に合うかどうか試してみてもいいのではないでしょうか。もちろん定期的な乳がん検診も受けましょう。


※この記事は、毎日新聞社発行『毎日らいふ』(ライフ・クリニック 心とからだの相談室)に掲載されたものです。


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