
「なぜ50歳前後で閉経するのか」「なぜ閉経にともなって更年期の症状が出るのか」
このことは、体内で分泌される女性ホルモンのようすと密接にかかわっています。
女性の心と体は、一生を通じて、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の影響を受けているのです。
| ■女性のライフサイクルと女性ホルモン |
![]() 〈小山嵩夫ら〉 |
| ■エストロゲンの役割 |
| ・排卵や子宮内膜を増殖させて妊娠の準備を整える ・乳房を発達させて女性らしい体をつくる ・骨をつくる ・自律神経のバランスを保つ ・血液中の脂質を正常に保つ ・このほか、脳・尿道・膀胱の一部・皮膚などに重要な 作用をもつ |
●思春期
女性が女性らしい体つきとなり、月経が始まって女性としての体の機能を発揮しだします。
●性成熟期
18歳から40歳ごろまでの間は、ホルモンの分泌が安定的におこなわれ、正常な月経周期が保たれやすくなります。
●更年期
卵巣機能の低下・停止によりエストロゲンが急激に減少し、心身にさまざまな障害や変調が起こりやすくなります。
(詳しくは, 「更年期と閉経」、 「どうしておこるの?」、 「どんな症状がおこるの?」をご覧ください)
●プレメノポーズ
40歳前後から45歳前後までの時期は、閉経に向かって卵巣機能が低下しはじめ、エストロゲンの分泌も減少していく不安定な時期です。この時期はプレメノポーズと呼ばれ、すでにさまざまな更年期の症状を感じる人や、早い人では閉経を迎える場合もあります。
また、この時期にストレスが重なることで生理不順や不定愁訴が起こるケースも見られます。
当会の電話相談でも、プレメノポーズ世代の方からの頭痛、頭重、湿疹などの悩みがよく聞かれます。この世代は卵巣機能低下による不調に体が慣れていないこともあり、より強く感じる場合もあるようです。
●ポストメノポーズ
55歳過ぎから60代半ばの女性に更年期の症状が起こることもあります。閉経時に感じた不調とは別の不調が現れる場合もあるし、更年期を過ぎいったん収まったかに見えた症状が、環境の変化でまた出てくることもあります。当会では「ポストメノポーズ」と考えています。
当会の電話相談にも60代の女性からの不調の悩みは多く寄せられています。「近くの医院を訪れたがその年では更年期症状ではないと取り合ってもらえなかった」という声も届いています。
<「若年性更年期」って本当にあるの?>
TV,雑誌などで、「若年性更年期」という言葉がとりあげられることがあります。しかし、20代から30代に起こる不調は、閉経にともなって起こる更年期の症状ではありません。むしろ、仕事の忙しさや、家事・育児のストレスなどによって起こる不定愁訴であり、環境を工夫することによって改善されることもあるようですし、また治療すべき病気が隠れている場合もあります。
当会では「若年性更年期」という言い方は適切ではなく、女性の不調を何でも更年期にあてはめてしまう風潮は危険であると考えています。