Quality Aging

プレ更年期・更年期前期 Q&A

40代女性に起きやすいトラブルとは
【回答・監修】
  岡野浩哉先生(婦人科専門医)
  飯田橋レディースクリニック院長 クリニック訪問はこちらから
  東京女子医科大学産婦人科学非常勤講師
40代は閉経(平均50.5歳)に向かってホルモンバランスの変化する時。こころと体にさまざまな症状が出やすくなります。あなたの抱える不安の素もここにあるかもしれません。
「更年期」とうまくつきあうために、一人で抱え込まず、知識と情報を得ておきましょう。また、一度は更年期、プレ更年期のわかる婦人科医を受診しておくことをおすすめします。

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1更年期外来に行く前に、基礎体温をはかっておく必要あり?

2年ぐらい前からふとんに入っても寝付かれなくなり、眠りが浅くて夜中にも目が覚めます。また、日中は疲労感や動悸があり、小さなことが妙に気になって頭から離れず、ずっとくよくよしてしまいます。
同じ頃から月経周期も不順です。現在、心療内科を受診して入眠剤をもらっています。「基礎体温をはかって婦人科にも行ってみたら」と言われましたが、睡眠不足のせいか寝起きが悪く毎日はかることができません。基礎体温をはかると何がわかるのですか。

 まず受診して、医師に話をしてください

基礎体温でわかるのは月経周期です。排卵周期がどうなっているか(排卵があるかないか)、また、月経周期と症状の出現との関係がわかります。しかし、更年期にさしかかり、生理が不順になっている場合は、高温期と低温期の現れ方は不規則で、そこから得られる情報はそれほど多くありません。
月経周期は、診察室でお話を聞けばわかります。必ずしも基礎体温を測らなくてもいいので、まず更年期外来に行ってください。 なお、症状の始まった2年ぐらい前に、家族関係や自分自身に気になるできごとがありましたか?更年期にはそうした「ライフイベント」が起こりやすく、症状のきっかけになることがあります。もともとの性格も関係してきます。
更年期外来を受診し、今自分に何が起きているかを知ってください。それだけでも安心することができます。

2月経周期と経血量の変化。ほうっておいても?

ずっと30日ぐらいの長めの周期で生理が来ていたのですが、40代に入ってじょじょに短くなってきました。今は25日ぐらいで来ることもあります。また、量が少しずつ増えてきたようが気がして塊が出ることもあります。同年齢の友人にいうと「私も!」という人もけっこういます。こうした変化はほうっておいてもよいものなのでしょうか。出産経験はありますが、内診台はやはり苦手。できれば婦人科に行きたくないのですが。

 気になる変化があったら婦人科・更年期外来へ

多くの女性は40代後半より月経周期が不順になり始めます。しかし、中には病気による不正出血が隠れている場合もあります。月経の異常や変化から見つかる病気は多く、特に40代以降は子宮体がんにも気をつける必要がでてきます。
「みんなそうだから」と見過ごさず、気になることがあったら婦人科・更年期外来を受診してください。 また、最近は、腰かけ椅子の状態から自動で動くストレスのかかりにくい内診台を備えた婦人科も増えています。閉経以降も定期的な婦人科検査は必要ですから、早い時期に信頼のできる婦人科のかかりつけ医を見つけておくとよいでしょう。

3FSHが上昇しています。このまま閉経するのでしょうか

月経不順があり、婦人科でホルモン数値を測ったら「FSH=25(mIU/ml)、E2=100ピコ(pg/ml)」でした。先生は「経過を見ていきましょう」といっていますが、この数字はもうすぐ閉経ということなのでしょうか。閉経して生理がなくなるのは楽でいいと思う反面、寂しさも感じて気持が落着きません。時々、すごくイライラしたり涙が出たりします。

 40代後半は、ホルモン数値も気持も変動します

血液検査でわかるホルモン数値のうち、FSHは卵巣機能の低下に対し鋭敏に反応し、早い時期から上昇します。しかしその値は変動が著しく、30(mIU/ml)を越したから、そのまま閉経に突入していくかというとそんなことはありません。50や60まで上がってから、また1ケタ台まで下がったりすることもあるのです。
E2はFSHに比べ閉経の直前まで分泌が保たれるという特徴があります。しかし、月経周期で変動し、日によって100ピコ(pg/ml)だったり30ピコだったり、月経が止まっていてもわずかに出ています。
というわけで、一度の測定だけで、閉経に結びつく数字かどうかを判断することはできません。
また、このようにホルモン数値の変動する40代後半は、心もすごく揺れ動く時期です。イライラや寂寥感の訴えもよくあります。そこで、医師はそうした症状や月経のようすもよく聞いた上で、ホルモン数値を補助的に用い、患者さんの現在の状況を説明することになります。

※FSH=卵胞刺激ホルモン。下垂体から分泌され卵巣に作用しエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌を促す。卵巣機能が低下してくるとこの数値が上昇する。
※E2=血中エストラダイオール。エストロゲン(卵胞ホルモン)の一種。最も作用が強くエストロゲンの中心的なホルモン。

4子宮筋腫があるとHRTはできない?

月経は1年ほど前から不規則になりつつあり、ここ半年はきていません。のぼせ、ほてり、頭がクラクラ、その他更年期症状のようなものがあり、朝起きた時から疲れています。婦人科に行きましたが、子宮筋腫があるのでHRTできないと言われました。漢方薬を一ヶ月飲みましたが、あまり効き目を感じません。子育てから手が離れたらやりたいことがいっぱいあったのに、虚しくてしかたありません。筋腫があるとどうにもならないのでしょうか。

 低用量でようすを見ながらHRT

子宮筋腫があっても、HRTを行うことはできます。筋腫はホルモン依存性のものなので、HRTを行うことで増大、不正出血などの原因となる人がいますが、どれぐらい作用するかは人それぞれであり、筋腫の種類によっても違います。
そこで、子宮筋腫がある場合のHRTは、低用量(通常の1/2量)のエストロゲンでスタートし、定期的にエコー検査を行って筋腫の状態を確認しながら続けていくやり方が考えられます。エストロゲン製剤は、通常の一回量の半量を塗る(貼る、飲む)。または、一回量を一日おきに使うとよいでしょう。

5これは閉経でしょうか?

5ヶ月前から月経がありません。これは閉経でしょうか。これまで毎月きちんと月経があり、不正出血などもなかったのに、突然のことでとまどっています。閉経というのは、何か前兆があるものではないのですか? それとも別の疾患ということもあるでしょうか。多少のほてりやべたべたした汗をかくというのはありますが、体調にあまり変化はありません。このまま過ごしていていいのでしょうか。

 閉経に至るプロセスは人それぞれです

閉経は、「1年間月経がない」という状態を見て判断するものです。というのは、閉経直前の時期には、月経が一度停止したように見えて、しばらく後に再開するということがよくあるからです。この方の場合は、このあと7ヶ月なければ閉経したといえます。
閉経に至るまでのパターンは人それぞれです。だらだらと不正出血を経験する人もいれば、ぴたっと終わる人もいます。なぜ人によって違うのかは、よくわかっていない部分です。 このように、閉経の前後になんの不調もない場合も「そろそろ閉経かな」と思ったら一度更年期外来を訪れて、自分の状態を確認したほうがいいでしょう。

6まだピルを使っていますが

38歳ごろから、過多月経、月経痛のためOC(低用量ピル)を使っています。肌の調子もよく、精神的にも落着いてとても具合がいいので、ずっと使い続けたいと思います。閉経後は、何歳くらいまで続けられるのですか?

 50歳前後でHRTに切り替えて

日本人の平均閉経年齢は50.5歳となっていますので、それをめどにHRTに切り替えることをおすすめします。OCは月経周期のコントロールを目的として作られている女性ホルモン製剤で、通常閉経後女性に行うHRTの数倍量の女性ホルモンが含まれています。閉経以降の女性にとっては、OCに含まれるホルモン量は多すぎると考えられますので、閉経後もながく続けたい意思があるならば、HRTへの移行をお勧めします。
現在わかっている閉経後女性に対するホルモン補充療法のメリットやデメリットの情報は、通常のHRTに関してのものであり、閉経後または50歳以降の女性にOCを長期に投与し続けた場合の効果についてはよくわかっていないからです。詳しくは主治医に相談してください。

7HRT処方時の乳がん検査について

1年前に閉経。ほてり、多汗、胸苦しさ、ドキドキ感、気持ちがあせって物事が手につかない、などの症状があり、HRTを始めました。体調はよくなり、パートの仕事を再開しはじめたところです。
乳がん検査を定期的に受けるとのことですが、マンモグラフィとエコーの両方を受けるべきですか。2年に一度自治体の無料乳がん検診がありますが、そこではマンモしか受けられません。

 年に一度のマンモ検査に、エコーもプラスして

5年以上の長期に渡ってHRTを行った時、乳がんのリスクが若干あがるとされています。そこで、年に1回の乳がん検査をおすすめします。
基本的にマンモグラフィでよいと思いますが、エコーはマンモでカバーできない部位をみてとることができます。マンモグラフィは少なくとも年に一度。可能であればエコーも併用することで、より安心を得ることができます。
また、異常所見が指摘された場合は乳腺専門医への受診をお勧めします。

8HRTで胸が張ります

42歳で自然閉経しました。婦人科で「早発閉経」と言われ、骨量減少の恐れがあるからと1ヵ月前にHRTを処方してもらいました。体調はとてもよく、以前あった疲れやすさがなくなって来て、自分に合っているように思います。しかし、ものすごく胸が張って痛いのです。何か解消法はないのでしょうか。母が乳がんを心配していますが、胸の張りは乳がんと関係がありますか?もちろん、検査はちゃんと受けています。

 胸の張りは乳がんとは無関係。薬の量を調節して

胸の張り感と痛みは、HRTを始めたばかりの人にはよくあるマイナートラブル(不快な症状)です。あらかじめ乳がん検査を行ってがんがないことがわかっていれば、張りや痛みが乳がんに関係することはありません。
たいていは、しばらくHRTを行ううちに体が慣れていきますが、気になる時はエストロゲン製剤を減らしてみましょう。

9HRTでむくみが出ますか?

47歳で閉経。エストロゲンのジェル剤を毎日1回、黄体ホルモンは一ヶ月に10日間使っています。気になっていたほてりや疲労感はよくなりましたが、顔がむくんだように感じます。お手洗いの回数も減りました。HRTをするとむくみますか。

 黄体ホルモンの影響かもしれません

まず、むくみの原因を確認しましょう。どの時期にむくみますか? エストロゲンと併用する黄体ホルモンには、むくみを起こす作用があります。もし、一時的に黄体ホルモンをやめてみてむくみが解消されるようなら、そのせいかもしれません。漢方薬や利尿薬を合わせて使うことで、HRTを快適に使用できるケースもよくあります。
主治医と相談の上、必要に応じて腎機能や甲状腺機能も確認してください。

10HRT、どれだけ続けていいの?

41歳の時に子宮筋腫の手術で子宮摘出。その後すぐにホットフラッシュや手指、足先の冷えなどの症状が出たのでHRTを1年間し、症状がおさまってきたのでやめました。45歳からまた同様の症状に加えてうつ気分が出たため、ジェル剤のHRTを使っています。
調子はいいのですがもうすぐ1年、以前かかっていた婦人科の先生に「長期のHRTはがんになる」と言われたことがとても気になっています。今の医師は「気になるならやめれば」と言います。しかし、やめて症状がぶり返すのも不安です。今、職場ではプロジェクトチームのリーダーになっており、体調管理がとても重要なのです。

 もっとも安全なHRTです

ジェル剤やパッチ剤(貼付剤)のように経皮吸収型のエストロゲン製剤を単独で行うHRT(※)は、現在もっとも安全なホルモン補充の方法と考えられます。乳がんや血栓症でさえ増えないというデータが出てきております。
また、40歳代という若い世代よりHRTを開始していることも安心材料です。副作用チェックを定期的に行い、異常のないことを確認できれば、一生続けてもよいのではないでしょうか。 (※子宮を摘出した人では子宮体がんを予防するための黄体ホルモンは必要なく、エストロゲン単独療法となります

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