40代に入ったら気を付けたいこと
40代女性の月経トラブル
40代は子宮内膜症や子宮筋腫などの女性特有の疾患の好発年齢のため、月経時の痛みが強くなってきたり、月経量も多くなるなど、月経困難症や過多月経の人も多くなります。月経時の痛みが以前より増してきた、月経量が以前より増えてきたなどのサインは婦人科受診の一つの目安となります。
このような、月経時の痛みや出血のコントロールには、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP)という選択肢がありますが、40代になると体重が増えてきたり血圧が高くなってくるなどのリスク要因を持つ人も増えてくるため、最近では局所的な効果が期待できる子宮内システム(IUS)といった医薬品も40代女性の選択肢の一つとして考えられています。
意外と知られていない40代女性の避妊の重要性
国内の統計報告によると、実数としては少ないものの、40代後半女性の妊娠総数に占める中絶の割合は50%を超えており、10代の女性の次に高いことが分かっています。
40代になって閉経が近づいて月経が不順になっていたとしても完全に閉経するまでは妊娠する可能性があることを知っておく必要があります。
意図しない妊娠を避けるためには、避妊が大切になりますが、女性が主体的に使用できる避妊としては、低用量経口避妊薬(OC)という選択肢があります。しかし、40代になると体重増加や血圧上昇などのリスク要因を持つ人も増えてくるため、月経トラブル同様、IUSなども選択肢の一つとして考えることができます。
40代から気になる更年期障害
40代後半になると個人差はありますが、エストロゲンの揺らぎが始まり、更年期の不調が出てくる人も増えてきます。
更年期の不調は気づきにくい場合もあるので、婦人科のパートナードクターと定期的に体調について相談しておくと安心です。
更年期を迎える前から定期的に自分のカラダを知り備えておくことは更年期の過ごし方に大きな影響を与えます。
参考記事:更年期とは何か。不調が起着る前に知っておきたい基本の基(きほんのき)
OC・LEPはいつまで続けられますか
避妊や月経困難症などの治療のために、低用量経口避妊薬(OC)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP)などを服用している女性だと、40代後半になるといつ頃ホルモン補充療法(HRT)に切り替えたらよいか気になる方も多いのではないでしょうか。
OC・LEPとHRTは製剤の目的が違うため、同じ女性ホルモン製剤といっても含まれている女性ホルモンの量や強さが違っています。そのため年齢と目的に合った選択をすることが大切です。
年齢とともにリスクとベネフィットのバランスが変わることも考慮して、婦人科医と相談しながら、もしHRTが必要となれば50歳頃を目途に切り替えることが望ましいです。
一般社団法人 日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門薬剤師/松原 爽