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-女性の健康について- このページは月経周期と女性の健康課題に関する記事です。

月経痛や過多月経がつらいとき、月経は毎月必要なのでしょうか

現代女性は昔の女性より月経の回数が増えている?!

現代女性は昔に比べ出産回数が減ったため、生涯の月経回数が増えたといわれています。

例えば昔の女性は5~6人産むというのはよくあったことで、しかも2~3歳くらいまで母乳を与えていることも珍しくなかったようです。そうなると妊娠期間と母乳を与えている期間は月経が来ないので、1人妊娠して出産すると3年近く月経がなかったことになります。5人産んでいれば約15年、6人産んでいれば約18年月経がなかったのではないかと想定される昔に比べ、現代女性は産んでも1人か2人、産まない女性も多く、更に母乳を与えている期間も短いため、その分月経回数は昔に比べ大幅に増えていることが分かります。

生涯の月経回数は、昔の女性は50回だったのに対し、現代の女性は450回にも増えているという海外のデータもあります。

昔の女性と現代の女性の月経がある期間の比較の図
図1 昔の女性と現代の女性の月経がある期間の比較

現代女性に増えている月経に関連する疾患

月経回数が増えればそれだけ月経に関連するトラブルや疾患も増えることになります。

月経に関連する疾患の代表例は月経困難症ですが、月経困難症は月経中に起こるお腹の痛み腰痛といったカラダの症状や、イライラ・抑うつといったココロの症状が日常生活に支障をきたすほど強く出る状態をいいます。

月経困難症の原因の一つでもある子宮内膜症も現代女性に増えている疾患の一つで、子宮の内側にある子宮内膜組織に似た組織が、腹膜や卵巣など子宮の内側以外の場所で発生し増殖する病気です。放っておくと炎症や癒着を引き起こし月経痛や下腹部痛、腰痛、性交痛、排便痛等の様々な痛みが現れます。それ以外にも卵巣にできた子宮内膜に似た組織は出血を繰り返すうちにチョコレート色の古い出血がたまり腫れた状態になりチョコレートのう胞と呼ばれています。

子宮内膜症の原因には諸説ありますが、月経が卵管を通って一部逆流しているという説が有力で、近年子宮内膜症が増えているのは、晩婚少子化により女性の生涯の月経回数が増え月経の逆流リスクも増加したためと考えられています。

子宮内膜症の図
図2 子宮内膜症

月経は毎月必要?

女性の月経周期は、卵胞期・排卵期・黄体期・月経期にわかれ、約1か月周期で毎月妊娠することを目的に繰り返されています。

ですので、月経とは、妊娠が成立しない結果、子宮の内膜に作り上げた子宮内膜が出血を伴って剥がれ体外に排出されることをいいます。

月経周期は妊娠のためには必要ですが、月経にまつわる疾患がある場合は、妊娠を希望するまで一時的に毎月の排卵を抑え、月経の回数を減らすなどの治療法も現代女性には必要な時代になってきています。

なお、妊娠などの理由がないのに月経が来ない、月経がたまにしか来ないといった状態は別の疾患が疑われますので、放っておかず、婦人科医を受診しましょう。

一般社団法人 日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門薬剤師/松原 爽