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-Q&A- このページは40代の悩みに関する記事です。

これは閉経ですか?

40代は閉経の前の月経不順に悩まされる時期

更年期に起こる最も特徴的なできごとは閉経です。卵巣の中に卵胞(卵子を内包する組織)がなくなって、排卵が終わることにより、月経が起こらなくなります。ほとんどの場合、卵巣機能は閉経に向かってしだいに低下していくため、閉経の1~2年ほど前から、「2~3か月に一度しか月経がない」「来たと思ったらとすぐ終わった」「終わったと思ったら2週間でやってきた」などの不順が起こりやすくなります。また「しばらく来なかったのでもう閉経かと思っていたら半年ぶりにあった」ということもあります。

閉経かどうかは「1年以上月経が来ていない」という状態で判断されます。つまり、いつ閉経を迎えたかは、1年前ようすを見ないとわからないということです。

閉経はどんなふうに起こる?

1)閉経の迎え方は人それぞれですが、多くの女性が40代に入った頃からまず月経周期が短くなり始めます。それまで35日ぐらいの長い周期だった人も徐々に周期が短くなり、25日ぐらいの短い周期になることもあります。

2)次に、頻繁に来ていた月経が、中抜けするようなかたちでとびとびになっていきます。たとえば、40~50日周期、さらに2~3か月に一度ぐらいになり、「いつくるかわからない」ような不規則な状態も起こります。

3)最終的に1年間を振り返って、一度も月経が来ていなかったら「閉経」ということになります。

閉経期における月経周期の変化と閉経までのパターン

閉経前にも妊娠することがある?

更年期に月経がとびとびになると、すでに無排卵であることが多いと考えられています。しかし、この状態でも数回に一度は排卵している場合があり、妊娠につながることがあります。妊娠を希望しない場合には、とびとびの月経になっても避妊は必要です。

無月経や月経不順の陰に病気がある場合も

妊娠していないのに、月経が3ヶ月以上ない状態を「無月経」といいます。無月経や月経周期の乱れで気をつけたいのは、閉経前の月経不順ではなく、不正出血が起きている可能性もあるということです。周期がおかしいなと感じたら一度は婦人科を受診し、子宮がんや子宮筋腫などの疾患がないかを確認しておきましょう。また、脳の視床下部や下垂体の異常、甲状腺機能の異常により無月経が起きる場合もあります。

正常な月経の目安とは

閉経ではなく忙しさやストレスによる月経不順

40代女性は忙しく、男女の全世代の中で最も睡眠時間が少ないという調査結果があります。近年は、35歳~40歳前後での出産が増加しています。40代前半で子育て真っ最中でありつつ、仕事でももっとも活動の幅が広がって周囲からも期待されること時期。自分のことは二の次で、体力のある時期ですから多少疲れても無理をしやすいということもあります。

そこで、産後の疲労感が抜けないまま更年期にさしかかり、不調が続いていく場合もあるようです。「もう更年期なのかも」とあせらずに、まず生活パターンの乱れや心のストレスがないか、振り返ってみましょう。出産した婦人科で定期的に婦人科検診を受けるなどして、婦人科医療とつながりを持ち更年期にも備えておきましょう。

めまいや疲労感は貧血のせいかも

月経不順の時期は、一時的に月経の回数が増えて出血量が増え、貧血(鉄欠乏性貧血)も起きやすくなります。疲れやすさやめまい、動悸、ふらつきなどがあり、更年期症状かなと思っていたら実は貧血の症状だったということもあるのです。特に子宮筋腫や子宮内膜症のある人は出血量が多くなりがち。日中でも夜用のナプキンを使うほどの大量出血がある場合などは、我慢していないで婦人科の受診をおすすめします。

子宮を切除したときの閉経

子宮筋腫などにより子宮を全摘すると、月経はなくなります。しかし子宮だけの摘出で卵巣を切除していなければ、体内では排卵は毎月起こっています。月経はなくなりますが、卵巣機能が正常に働いていれば閉経しているわけではないのです。エストロゲンの分泌は続いているので、更年期症状や骨量の低下などはみられません。

子宮摘出後の閉経をどうやって知るの

では、卵巣機能が停止したという意味での閉経がいつ起きたかを知るには、どうしたらいいのでしょうか。日本人の平均閉経年齢は50~51歳とされ、この前後10年間を更年期と言いますが、この頃にホットフラッシュなどの更年期症状を感じたら、婦人科でホルモン検査の相談をしてみてください。こうした相談をするためにも、婦人科のかかりつけ医をずっともっておくのは大切です。

または医師と相談の上、更年期症状が出たときにHRTを始めてみるのもいいでしょう。もしHRTで症状が改善するようなら、エストロゲン減少によって起きていた症状だった、つまり閉経の状態にあるということになります。

子宮摘出後のHRTについて

なお、子宮を摘出したあとのHRTでは、エストロゲンのみの補充療法を行います。「子宮を切除したが、HRTでエストロゲンと黄体ホルモンを処方されている」という相談は、電話相談を開始した21 年前から後をたちませんが、黄体ホルモン(プロベラ、デュファストン、ヒスロンなど)は、子宮体がんの予防のために処方されるものです。子宮がないとき、黄体ホルモンを使う必要はありません。

20-30代の無月経と閉経の違い

40代以降、更年期に起こる無月経は多くが閉経に向かっている状態といえますが、20-30代での無月経は、ほとんどは閉経ではありません。20-30代で月経不順やホットフラッシュ、のぼせ、ほてり、動悸、だるさなど心身の不調がある人の中で、実際に卵巣の機能が本当に低下して閉経に近付いている例はごくわずかです。仕事や家事、育児などで心身に大きなストレスがかかり、そのせいで自律神経のバランスが崩れて女性ホルモンの分泌に影響を与えているとも考えられます。たとえば、忙しすぎてきちんと食事や睡眠が取れないのではないかとか、つらいことがあって体重が急に減ってしまったようなことがなかったかなど、振り返ってみてください。

月経のない状態を放置しないで

女性の体はデリケートなもので、事故や災害、恐怖体験など、心身にかかるショックで一時的に月経が止まる例もあります。無理なダイエットや心身のストレス、身内の不幸、失恋やドメスティックバイオレンスなどの精神的ショックも無月経の原因となることもあるのです。半年以上無月経の状態が続くと、骨量の減少が起こり、将来的に骨粗鬆症になりやすくなります。「月経がないのは楽でいい」と放置せず、婦人科医に相談してください。検査の結果、卵巣の機能が止まっていたり、ホルモンの分泌量が少ないことがわかったら、HRTやOC(低用量ピル)などの投薬で様子を見ることもあります。


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