カフェレポート
目次
第6回「女性の健康カフェ」(大阪)の様子
2019年11月16日開催
開催場所:グランフロント大阪 ナレッジサロン会議室
冒頭、ミニレクチャー「月経前のココロとカラダの不調 ~PMS/PMDDについて~」がありました。
参加者からは、
「とても大切な情報ですが、まだまだ広がっていないので、少しでも普及に協力できればと思いました」
「参加できて本当に良かったです。自分のカラダの事なのにいかに無知だったか気づかされました」
「職場で女性に周知できたらと思いました」
「ピルや婦人科への思い込みや偏見がなくなればよいと思いました」
「若い女性にこそ知識を得る機会を作ってほしい」
「こういう話を聞ける・話せる機会がありがたいです」
などの感想がありました。
【ミニレクチャー概要】
「月経前のココロとカラダの不調 ~PMS/PMDDについて~」
講師:一般社団法人日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門薬剤師 松原 爽
月経による不調と聞くと、月経期間中の不調を思い浮かべる人も多いと思いますが、女性は月経中だけでなく月経の前にも何らかの不調を抱えています。
月経中に起こるおなかの痛み・腰痛・疲労感などのからだの症状や、イライラ・抑うつなどのこころの症状が、日常生活に影響するほど強く出る状態を月経困難症と呼びますが、月経の3~10日くらい前から始まる精神的あるいは身体的な症状で、月経開始とともに減退または消失するものをPMSと呼びます。症状としては、イライラやのぼせ、下腹部膨満感、下腹痛、腰痛、頭重感、怒りっぽくなる、頭痛、乳房痛、落ち着きがなくなる、憂鬱になるなど多岐に及びます。PMSの原因にはいろいろな説がありますが、排卵を抑制すると症状が抑えられることが分かっているため、黄体ホルモンが誘因であるといわれています。
PMDDは、PMS同様月経の3~10日くらい前から始まり月経開始とともに減退または消失しますが、焦燥感や不安感、脅迫感、涙もろくなるなど精神症状がPMSよりも強く表れます。
PMDDは人間関係や社会活動など日常生活に支障をきたし、生活の質(QOL)を著しく低下させるため我慢せず治療することが大切です。
このような、月経期間中や月経前の症状がある女性は程度の差はあるものの約7割にも及ぶと言われています。
PMS/PMDDの治療には症状に合わせカウンセリングや生活指導などが選択され、薬物療法としては比較的軽症であれば排卵を抑えることのできるOCやLEPなどの女性ホルモン製剤が使用され、その他にも鎮痛剤、安定剤、漢方薬などが使用されます。症状が中等症以上になると、SSRI(セロトニン選択的取り込み阻害剤)などの軽い抗うつ剤が処方されることもあります。
なお、日本でも発売されているドロスピレノンを含有したLEPは、身体症状と精神症状の両方に効果があることが分かっており、日本では適応がありませんが海外ではPMDDの適応を持っています。
現代女性はライフスタイルの変化から月経回数が増えたことで、月経に関連する症状や疾患が増えてきました。
PMS/PMDDといった月経前の不調に関しては「病気ではないから我慢しなくてはいけない」、「周囲が理解してくれない」など、苦しまれている女性も多いようです。
PMS/PMDDは月経周期における女性ホルモンの変動が関連している可能性があることから、婦人科の医師にも相談できますので、我慢せずまずは医師に相談してみてください。
*PMS:PreMenstrual Syndromeの略で月経前症候群の事
*PMDD:PreMenstrual Dysphoric Disorderの略で月経前不快気分障害の事
第5回「女性の健康カフェ」(大阪)の様子
2019年9月9日開催
開催場所:グランフロント大阪 ナレッジサロン会議室
今回のテーマは更年期ということで、40代50代の方々がご参加くださいました。
冒頭、「更年期におこるカラダの変化 ~エストロゲンがある時ない時~」と題してミニレクチャーを行い、その後テーブルを囲み、当協会認定「女性の健康推進員」も交えて語り合いの会を行いました。
語り合いの会では、
「更年期になったときどのような症状が出るのか怖い」
「今後年齢を重ねても健康でいるにはどうしたらよいか」
「更年期の症状があるので対策について知りたい」
など、更年期ならではの話題が多く出ました。
参加者からは
「不安で心細かったですが話を聞けて安心した」
「皆さんの体験や悩み事正しい知識を得られてよかった」
「暖かい雰囲気で話せて嬉しかった」
などの感想を頂きました。
【ミニレクチャー概要】
「更年期におこるカラダの変化 ~エストロゲンがある時ない時~」
講師:一般社団法人日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門薬剤師 松原 爽
女性は、個人差はありますがだいたい50歳前後に閉経を迎えます。
更年期とは閉経をはさんだ10年間(一般的に45歳~55歳頃)のことを指しますが、更年期には卵巣機能が低下し、卵巣から分泌される女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌が揺らぎながら低下するため、月経周期がみだれたり、心身に様々な不調が現れます。具体的にはほてり、のぼせ、発汗、動悸、頭痛、めまいといった身体的症状や、憂鬱な気分、眠れない、イライラなど精神的症状などがあります。
このような更年期に現れる様々な不調のことを更年期症状と言い、このような症状が生活に支障をきたすほどひどい場合は更年期障害といって治療が必要になります。
更年期の不調は、卵巣機能の低下によるエストロゲンの低下に加え、生活習慣や環境的な要因、また本人の気質や体質なども複雑に絡みあって引き起こされるため、症状のあらわれ方には個人差があります。
また、更年期の不調は様々なものがあるため、更年期によるものだと気付かずドクターショッピングを繰り返しなかなか適切な治療に結び付かないこともあります。さらには更年期の不調をきっかけに仕事を辞めてしまう女性が多いことも課題となっています。
なお、エストロゲンは女性の様々な部位に作用し女性の健康を支えているため、その分泌が低下し欠乏するということは更年期症状だけでなく更年期以降の様々な症状や障害にも関係していることが分かっています。
そのため、更年期には更年期障害だけでなく脂質異常症や動脈硬化などの生活習慣病や骨粗しょう症などのリスクも高くなります。ですので、食事や睡眠、運動など生活習慣を見直すことも大切ですし、定期的な健康診断や婦人科検診をうけるなど、今まで以上に健康管理の意識を持つことが大切です。
また、更年期障害の治療にはいくつかの治療法がありますが、エストロゲンの分泌が低下することで起こる症状や障害を改善する治療法としてはホルモン補充療法(HRT)があります。HRTはHormone Replacement Therapyの略で低下したエストロゲンを必要最低量補う治療法です。HRTは世界的には更年期医療のスタンダードとして多くの女性に使用されています。
更年期の症状が生活習慣を見直すなどしても改善しない場合は、今後健康でいるための選択肢を広げる意味でも一度専門の婦人科に相談してみることも大切です。
第4回「女性の健康カフェ」(大阪)の様子
台風のため中止となりました。
第3回「女性の健康カフェ」(大阪)の様子
2019年4月2日開催
開催場所:グランフロント大阪 ナレッジサロン会議室
冒頭、「月経痛は我慢しない ~現代女性の月経との付き合い方~」と題してミニレクチャーがありました。
意外と知らない月経のメカニズムについてや、現代女性に増えている月経に関連する疾患について解説がありました。
その後、テーブルを囲み、語り合いの会をスタート、正しい月経について知る機会がなかったこと、ほとんどの女性が月経トラブルを我慢していること、上手に婦人科にかかるにはどうしたらよいか等、当協会女性の健康推進員とともに語り合うことができました。
参加者からは皆さんの多様な悩みが聞けて参考になった”、“ピルについて勉強になった”等の感想を頂きました。
【ミニレクチャー概要】
「月経痛は我慢しない ~現代女性の月経との付き合い方~」
講師:一般社団法人日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門薬剤師 松原 爽
日常生活で月経の影響を受けている女性は約7割にものぼり、仕事のパフォーマンスをみてもその影響は大きいことが分かっています。
更に、現代女性は出産回数が減るなどライフスタイルの変化から昔の女性と比べ生涯にわたる月経回数が大幅に増えていることから、月経に関連する様々な疾患も増えています。
月経と上手に付き合っていくためには、まずは正常な月経を知る必要があり、それと比べ自分自身の月経がどのような状態なのか把握することが大切です。もし月経の異常が3か月続く場合や生活に支障のあるような痛みがある場合は婦人科受診が勧められます。
最近ではこのような月経に関連するトラブルを改善するための女性ホルモン製剤(LEP:エストロゲンプロゲスチン配合剤)も様々な種類が発売されてきているので、選択肢の一つとして正しく知っておくことも大事です。
<正常な月経の目安>
初経年齢:平均12歳
月経周期日数:25日から38日
出欠の持続日数:3~7日間(平均5日間)
1周期の総経血量:20~140ml(夜用ナプキンを昼間使っている人は経血量が多い可能性があります)
第2回「女性の健康カフェ」(大阪)の様子
2019年2月21日開催
開催場所:グランフロント大阪 ナレッジサロン会議室
冒頭、理学療法士の杉山友香氏から「骨盤からキレイになる ~妊娠前から更年期まで~」と題してミニレクチャーがありました。
骨盤の位置や向き、骨盤底筋の鍛え方について分かりやすく説明いただき、参加者からは多くの質問が寄せられました。
その後、テーブルを囲み、語り合いの会をスタート、夜カフェということもありロールケーキを頂きながら、女性特有の健康問題や、かかりつけ医の探し方、また月経トラブルや更年期以降のヘルスケア等、当協会女性の健康推進員とともにざっくばらんに語り合うことができました。
参加者からは“疑問に思っていたことが解消された”、“女性の健康に関して知らないことが多く正しい知識が得られ有意義だった”等の感想を頂きました。
【ミニレクチャー概要】
「骨盤からキレイになる ~妊娠前から更年期まで~」
講師:理学療法士 杉山友香氏
女性の体は、妊娠と更年期に特に大きく変化します。
更年期以降に発生しやすい骨盤臓器脱や尿もれには、出産方法や回数など女性特有のイベントが影響するため、妊娠前から骨盤底筋を鍛えることはとても大切です。
骨盤底筋は骨盤の底にある筋肉です。ここを鍛えることで、尿もれや便失禁の予防や内蔵をよい位置で保つこと、腹圧をコントロールできるようになります。
筋トレのポイント4つ紹介します。
①筋肉の走行をイメージする(お尻の穴からおへそに向かって、引き上げる)
②側からみて体が全く動いていないくらいの強さ(お尻の力を抜く)
③力を入れたら、その後抜くこと
④10秒力を入れ続ける(持久力)と10秒間に10回繰り返す(瞬発力)を組み合わせる
何より継続が大切なので、通勤中、テレビを観ながら、歯磨きしながらと、自分が続けやすいタイミングに取り入れてみてください!
第1回「女性の健康カフェ」(大阪)の様子
2018年12月12日開催
開催場所:グランフロント大阪 ナレッジサロン会議室
冒頭、ミニレクチャー「現代女性は月経が多すぎる?!月経との付き合い方」がありました。知っているようで知らなかった、初めて聞く内容、と好評でした。
語り合いの中では、「女性特有の健康問題があること」「ケアする必要と方法があること」これらの情報の少なさを改めて感じ、女性だけでなく男性も、情報に触れる機会がもっと必要との言葉が聞かれました。